不安の朝

怖い
目が覚めて この身を守るものが無くなっていることに気づいた
怖くてしかたなかった
些細な不安が 頭のなかを埋めつくしていた

しなければならない事があって
何度も止まりながらも 体を動かした
外に出て
これが現実なのだという実感が 嫌なほど湧いた
引き返したくなった
だのに体は 他人のように自分を引っ張った

着いた先で
何も起こらないことを祈った
はじめから最後までずっと 身を小さくして 終わるのを待った

夜になった
ほとんど何もしていないのに 頭も体も疲れ果てていた
現実から逃れて 心を癒す必要があった

―――

夜が更けてきた
些細な不安が 頭のなかを埋めつくしていた
今日が始まらないことを 祈った

この身を守るものが無かった

日が昇った
些細な不安に 押し潰されそうだった
頭と体は悲鳴を上げていた
他人のような悲鳴を上げていた

小さく震える自分がいた
昨日のような今日が はじまりかけていた

立ち止まることが 許されるだろうか
逃げることが 許されるだろうか
わがままであることが 許されるだろうか
自分は自分を 許せるだろうか


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2016.10.16 22:15 25~26歳の時