情報過多

私は、暗く何もない空間にいる。
コンコンと、ドアをノックする音が聞こえた。
「本当にしたいことは何か」という問いが聞こえた。

依然、私は暗く何もない空間にいる。
いや、そこは何もない空間では無かった。
そこは何もかもがひしめき合っている空間だった。
私を含めた何もかもが、隙間なくぎゅうぎゅうに詰め込まれた空間だった。
隙間がない。一つ一つを個別に認識できない。距離が無いから、まるで何もないかのように錯覚していたのだ。

私はそこでもだえ苦しんでいる。
あれやこれやに押し潰されて、まともな思考が出来ず、イライラしている。
「こここから抜け出そう」という意識があるにはあるが、しかし、それもまた、あれやこれやに押し潰されて、まともに認識できない。

純化された空間へ行きたい」